支部だより

2007年鳥取大会(田中鳥取県幹事)

第64回日本植物学会中国四国支部大会が,日本動物学会中国四国支部および日本生態学会中国四国支部と合同で,2007年(平成19年)5月19日(土)-20日(日)の両日鳥取大学で開催された。参加者は,3学会合計で211名(うち植物学会50名)であった。植物学会での発表は,ポスター発表20題,口頭発表14題,発表題目と発表者は下記のとおりである。

なお,3学会合同の公開シンポジウム「遺伝子からみた生物の分布と保全 ― ブナ・コナラの仲間とブナ林にすむ動物の遺伝的分化と保全 ―」を行なった。同時に,6校の高校生によるポスターによる27題(うち植物関係は11題)の研究発表も行なわれた。

[ポスター発表](5月19日)

  1. 大腸菌から酵母への生物界間接合における接合能力上昇株の網羅的スクリーニングと関連遺伝子の分類.○藤原慎哉, 池ヶ谷洋佑, 守口和基, 鈴木克周 (広島大学・理学部・生物科学科)
  2. 大腸菌−アグロバクテリア間シャトルTiプラスミドの作成. ○清川一矢,佐久間慶,山本真司,田中克幸,守口和基,鈴木克周(広島大学・院理・生物科学)
  3. T-DNA輸送システムによる出芽酵母の形質転換に関与する遺伝子の探索の試み(I):T-DNA輸送システムと生物界間接合系での必須遺伝子の比較. ○百田直人,加藤千佳,山本真司,田中克幸,守口和基,鈴木克周(広島大・院理・生物科学)
  4. 中海底質より分離した好アルカリ性細菌No. 4545株の菌体外プロテアーゼについて. 西尾昌人,○大島朗伸(島根大・生資・生物科学)
  5. 核小体タンパク質フィブリラリンの分裂期における挙動. ○佐藤奈苗,金田剛史,佐藤 康,佐藤成一(愛媛大・院・理工・環境科学)
  6. Cytosolic overexpression of vitamin C recycling enzymes ameliorates tolerance to environmental stresses. ○A. E. Eltayeb, N. Kawano, G. H. Badawi, H. Kaminaka, S. Inanaga & K. Tanaka (Laboratory of Plant Biotechnology, Faculty of Agriculture, Tottori University)
  7. Physiological implications of induced salinity stress on biomass, photosynthetic apparatuses, and antioxidant enzymes response of bean (Phaseolus vulgaris L.) seedlings.○P. B. S. Gama1, K. Tanaka1, S. Inanaga2 & H. Tsujimoto3 (1Laboratory of Plant
  8. Biotechnology, Faculty of Agriculture, Tottori University, 2Laboratory of Plant Ecophysiology, and 3 Laboratory of Plant Genetics and Breeding Science)
  9. Enhanced tolerance to salt and drought stresses by overexpressing ChaC like cation transporter OsCTP in tobacco (Nicotiana tabacum L.). ○Md. Imtiaz Uddin, Maki Kihara, Yan Hua Qi, and Kiyoshi Tanaka (Laboratory of Plant Biotechnology, Faculty of Agriculture, Tottori University) \
  10. 亜硫酸酸化酵素葉緑体過剰発現タバコの亜硫酸耐性. 尾崎崇一, 河野尚由, 山内靖雄, 上中弘典, ○田中 淨 (鳥取大学・農学部・植物機能)
  11. アズキのオーキシン排出担体遺伝子のクローニングと主根と側根における発現. ○久家徳之,金田剛史,佐藤 康,佐藤成一(愛媛大・院・理工・環境科学)
  12. アズキ発芽種子上胚軸に見られる病変の特徴及びその原因. ○小野真道,佐藤 康,金田剛史,佐藤成一(愛媛大学・院・理工・環境)
  13. 静置状態により誘導されるタバコ培養細胞BY-2の細胞死の形態学的特徴. ○平賀 旭,金田剛史,佐藤 康,佐藤成一 (愛媛大・院・理工・生物)
  14. 葉緑体rbcL遺伝子を用いたカヤツリグサ科の分子系統学的研究. ○平原友紀,星野卓二 (岡山理大・院・総情・数理環境)
  15. スゲ属タガネソウ節(Carex, Sect. Siderostictae)における倍数性と種分化. ○正木智美,吉岡里恵,星野卓二(岡山理大・総情・生地)
  16. スゲ属タイワンスゲの系統地理学的研究. ○矢野興一, 星野卓二 (岡山理大・院・総情・数理環境)
  17. 日本産Racomitrium canescens群の分類学的研究. ○安原隆史,嶋村正樹,山口富美夫,出口博則(広島大学・院・理・生物科学)
  18. 東カリマンタン低地熱帯多雨林における森林火災と蘚苔類との関係. ○津島尭也1,山口富美夫1,宮脇博巳2,清水英幸3,H. Simbolon4,鈴木英治5,嶋村正樹1,出口博則1(1広島大・院・理・生物科学,2佐賀大・文化教育,3国立環境研,4インドネシア科学研究院,5鹿児島大・理・地球環境)
  19. 世界文化遺産厳島神社後背林の保全と利用 1.モミ林の特異性と教育活動への利用. ○桝井秀雄1,吉野由紀夫2,林 勝治3,関 太郎4(1鈴峯女子短大,2東和科学,3広島県立大,4廿日市市)
  20. GISH法による核型の生物教育(ゲノム教育)への利用について. ○小倉久和1,郭 始光1,板谷恒平1,川合康介1,近藤勝彦2 (1岡山大学教育学研究科,2広島大学理学研究科)
  21. 隠花植物とくにコケ植物のアレロパシー活性について. ○坪田博美1, 4,岡本健志1,中原美保2,黒田有寿茂3,向井誠二4,出口博則1(1広島大・院・理・生物科学, 2広島大・附属三原中, 3兵庫県立大・自然・環境科学研究所, 4広島大・院・理・宮島自然植物実験所)

[口頭発表](5月20日)

  1. 無葉緑ラン科植物タシロランの菌根共生培養系による開花. 谷亀高広1,大和政秀2,鈴木 彰3,○岩瀬剛二4(1高森町蘭植物園,2KANSOテクノス生環研,3千葉大教育,4鳥取大農)
  2. 黄緑藻フシナシミドロの枝形成部位における細胞壁構造の変化. ○峯 一朗,奥田一雄(高知大学・黒潮圏海洋科学研究科)
  3. 渦鞭毛藻Pyrocystis lunulaにおける表層微小管の配列. ○関田諭子1,片木 昇2,奥田一雄1(1高知大・院・黒潮圏,2高知大・理・自然環境)
  4. AtGA3ox1のフィードバック制御に関わるAGF1を中心とした分子機構の解析. ○珠光綾子,松下 茜,山香賢治,大見麻里子,古本 強,高橋陽介(広島大学・理学部・生物科学)
  5. プロテインキナーゼNtCDPK1の転写因子RSGに対する基質認識機構の解析. ○中田 克1,伊藤 岳1,石田さらみ2,古本 強1,高橋陽介1(1広島大学大学院・理学研究科・生物科学,2東京大学大学院・理学系研究科・生物科学)
  6. 光化学系IIのquality control:熱ストレスを受けたホウレンソウ光化学系IIでのD1タンパク質の分解とFtsHプロテアーゼの関与. ○吉岡美保1,内田 優1,森 宏樹2,駒山敬介1,大平 聡1,森田典子1,中西 徹2,山本 泰1 (1岡山大・院・自然科学,2就実大学・薬学部)
  7. 光化学系IIのquality control : 光や熱ストレス下でのD1タンパク質の挙動. ○山下亜夢,鎌田貴志,平元秀樹,森田典子,山本 泰(岡山大・院・自然科学研究科)
  8. 光化学系IIの quality control :熱または光損傷を受けたシアノバクテリアSynechocystis sp. PCC6803 光化学系IIの修復はチラコイド膜と細胞膜のFtsH プロテアーゼレベルに依存する. ○竹中大智1,平元秀樹1,森田典子1,山本洋子2,山本 泰1(1岡山大・院・自然科学,2岡山大・資源生物科学研究所)
  9. Quality Control of Photosystem II : The fate of heat damaged D1 protein in spinach thylakoids depends on the distribution and action of FtsH proteases and phosphatases in the thylakoids. ○Khatoon Mahbuba , Keisuke Komayama1, Junko Horie1, Miho Yoshioka1, Noriko Morita1, Maya Velitchkova2, Isao Enami3, Yasusi Yamamoto1 (1Graduate School of Natural Sci. and Tech., Okayama Univ., 2Inst. of Biophys., Bulgarian Acad. Sci., Sofia, Bulgaria, 3Dept. Biol., Tokyo Univ. of Sci.)
  10. 日本新産のハネムクムクゴケ(ムクムクゴケ科,苔類). 菊川信人,○出口博則(広島大・院・理・生物科学)
  11. セン類の茎頂でみられる単色素体性細胞. ○嶋村正樹,高山亜衣,山口富美夫,出口博則(広島大院・理・生物科学)
  12. 日本産イノデ属シダ植物Sect.16の酵素多型分析による類縁関係の調査. ○長本三鈴1,林 蘇娟2(1鳥取大・院・連合農学・生物資源,2島根大・生物資源・生物)
  13. GISH実験の間期核シグナル強度データに基づくゲノム近縁度の予測の試み(予報). ○田中福人,小倉久和(岡山大学教育学研究科)
  14. 愛媛県松山市および周辺地域におけるケキツネノボタン (Ranunculus cantoniensis DC.) の核型の種内変異と分布. ○小川泰範1,高橋ちぐさ2(1崇徳高等学校,2鳥取大学地域学部)

[公開シンポジウム]5月19日
遺伝子からみた生物の分布と保全 ― ブナ・コナラの仲間とブナ林にすむ動物の遺伝的分化と保全 ―(世話人:佐野淳之・永松 大)

  1. 遺伝子からみた東アジアのナラ類の変遷と環境適応. 原田 光(愛媛大学農学部森林資源生物研究室)
  2. 西日本におけるブナ集団の分布パターン,遺伝的多様性,保全のあり方. 戸丸信弘(名古屋大学農学部生命農学研究科)
  3. ブナ林をめぐるザトウムシのチェッカー盤型分布,地理的分化と染色体交雑帯. 鶴崎展巨(鳥取大学地域学部生物研究室)


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Last-modified: 2009-01-16 21:25:12